
- 介護士ってどんな仕事をしているの…
- 介護士について知りたい!
- 特別な資格や経験が介護士には必要?
実は、介護士の仕事って、大変そうなイメージが先行して具体的な仕事内容が知られていなかったり、「資格がないと無理」と諦めたり、「経験がないから…」と躊躇してしまう人がとても多くいます。
私は25歳の時に自衛官を退職し未経験から介護士へ転職。現場経験を積みながら介護福祉士も取得しました。そして、10年以上働いています。
この記事では、介護士とは、仕事内容や介護士が働いている場所&給与、介護士に向いている人ややりがいなどを解説しています。
この記事を読めば、介護士についての具体的なイメージができ、疑問や不安が解消される記事となっている。
結論、介護士は資格名ではなく通称。また、働く場所も様々で高齢者のお世話をすることだけが仕事ではなく、勤務先で大きく変わります。経験や年齢は関係なくなることが可能であり、未経験無資格者の平均給与は21万前後もらえます。
介護士とは資格名や正式名称ではない!

介護士(かいごし)は、介護職に携わるスタッフ全般を指す俗称であり正式な名称ではない。正式にはヘルパー、介護職員という。
ウィキペディアより引用
よく介護福祉士と間違われることもありますが、介護福祉士は国家資格。介護士は通称であり、資格名や正式名称ではありません。
身体介護、生活援助、その他の業務!介護士の仕事内容は大きく3つに分けられる

介護士の仕事内容は「高齢者だけのお世話が仕事」と思われがちだがですがそんなことはない!なぜなら、高齢者以外にも障害者や体が不自由な人など様々な人を相手にしているからです。
- 身体介護とは利用者の体に触りながら行う業務!
具体的には、自分でトイレができない方のトイレへの誘導、おむつ交換や食事をする際のお手伝い、お風呂のお手伝いなど
施設で働いている介護士に多い仕事に思われますが、全介護士が行っています
- 生活援助とは利用者が生活をするのに必要な援助。そして、利用者の体に触らないで行う業務の事!
具体的には、掃除や買い物、洗濯などがあります
生活援助は主にホームヘルパーで行うことが多い
- その他の業務
具体的には介助記録やレクリエーション、送迎など
施設や訪問系、通所系、病院など大きく4分野に分かれて働く

就職先 | 概要 | メリット | デメリット | 向いている人 | 向いていない人 |
介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) | 原則として要介護3以上の高齢者が終身で入居し、生活全般の介護サービスを受ける施設形態 | 入居者と深く関わりながら幅広い介護スキルを習得でき、看取りケアや多職種連携を通じたチームケアも経験でき、利用者さんの生活全体を支えるやりがいを感じながら、介護の専門性を高められる。 | 夜勤やシフト制で生活リズムが不規則になりやすく、入浴・移乗介助など身体的負担が大きく、精神的な負担や、介護以外の記録・行事準備といった多岐にわたる業務もこなす必要がある。 | 利用者様一人ひとりと深く関わり、看取りまでを支えたいと考える、体力と協調性のある人。幅広い介護スキルを習得し、多職種と連携しながら長期的に活躍したい人。 | 夜勤や身体介護、看取りが頻繁にあり、ルーティンワークが苦手な方。体力に自信がなく、生活リズムが不規則になるのを避けたい方 |
介護老人福祉施設 (老健) | 病院から自宅への橋渡しとなる役割を持つ施設で、リハビリテーションを中心とした医療ケアを提供し、在宅復帰を目指す施設形態。 | 医療連携が密で多様な症例に関われ、在宅復帰支援を通じて利用者さんの回復を間近で見守るやりがいや医療依存度の高い方も受け入れるため、医療的な介護スキルも磨ける。 | 在宅復帰支援のため高い目標達成意識が求められ、利用者の入退所が頻繁。医療知識の継続的な学習と夜勤を含むシフト勤務も特徴。 | 医療・リハビリ支援と多職種連携を重視し、利用者の回復を喜びとする人、短期間で多様なケースに関わり、専門性を高めたい方 | 長期的な関わりを求める方や医療知識の学習、変化への対応、身体介護に抵抗がある方。 |
有料老人ホーム (介護付き有料老人ホーム) | 民間企業が運営する施設で、介護サービスが一体的に提供されるタイプです。 | 手厚い人員配置と充実した設備・サービスにより、質の高い介護とホスピタリティを提供できます。また、多様なキャリアパスや比較的高い給与水準も期待できる。 | 月額費用が高額で利用者が限られる場合があり、企業の経営方針や看取り対応の有無がサービス内容に影響します。また、24時間体制のため夜勤やシフト制勤務が基本。 | 質の高い介護とキャリアアップを目指し、充実した環境でじっくり利用者と関わりたい人。ホスピタリティを発揮し、ゆとりのある人員配置の中で働くことに喜びを感じる方 | ホテルライクなサービスやマニュアルに沿った対応が求められ、企業の利益追求や夜勤・シフト制に抵抗がある人。介護サービスだけでなく、接客や効率性を重視する運営方針に合わないと感じる人 |
グループホーム | 認知症と診断された方が、少人数で共同生活を営む施設です。家庭的な雰囲気の中で、残された能力を活かして自立を支援。 | 認知症ケアに特化し、家庭的な少人数環境で利用者一人ひとりと深く関われるため、専門性を高めながらきめ細やかなサポートが可能。日常の家事を共同で行うことで、利用者の自立支援にも繋がります。 | 認知症への深い理解と、夜勤や少人数での勤務における体力・精神力が特に求められる。また、医療行為が制限されるため、緊急時は外部との連携が不可欠です。 | 認知症ケアに関心があり、家庭的な雰囲気で利用者さんの自立支援をしたい方、少人数での密接なケアを通して専門性を高めたい方 | 認知症ケアへの専門性や家庭的な雰囲気での柔軟な対応が求められるため、ルーティン作業を好み単独夜勤に不安がある人、利用者さんの状態に合わせた個別ケアが必要なため、常に同じ業務をこなしたい人 |
サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住) | 高齢者が安心して暮らせるよう、安否確認や生活相談サービスが提供される賃貸住宅です。多くは介護サービス事業所を併設しています。 | 自立から要介護の方まで幅広い入居者がおり、生活支援を中心に身体介護の負担が少ない場合も多い。入居者の自由度を尊重し、併設事業所との連携で多様なサービスを提供できる新しいスタイルの住まい | 施設ごとに業務内容や介護範囲が異なり、緊急対応や夜勤の有無も変動します。また、居住サービスと介護サービスの線引きが難しい場合がある | 利用者さんの暮らしを重視し、生活支援を通してサポートしたい方。また、自立度の高い高齢者との交流を楽しみ、新しい介護の形や多様な働き方に興味がある方、併設サービスとの連携で幅広い経験を積みたい方 | 居住支援が中心のため純粋な介護業務を希望する方。また、施設ごとにサービス内容が異なるため、柔軟な対応が苦手な方 |
通所介護 (デイサービス) | 自宅で生活する高齢者が日中に施設に通い、入浴、食事、レクリエーション、機能訓練などのサービスを受ける場所。 | 夜勤がなく生活リズムを整えやすい上、送迎やレクリエーションを通じて地域や多様な利用者と深く関わり、在宅生活支援に貢献できるやりがいがあります。 | 送迎や入浴介助の負担が大きく、また限られた時間内で個別ケアと集団レクリエーション両方の質が求められる。また、運転技術や多様な利用者さんを楽しませる企画力・進行力が必要となる。 | 夜勤がなく、利用者さんとの交流やレクリエーション企画を楽しめる人、送迎業務も含むため、運転が好きな方 | 夜勤がなく、送迎やレクリエーション企画が苦手な方。一人ひとりと深く関わる時間も限られている。 |
通所リハビリテーション (デイケア) | 医師の指示のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による専門的なリハビリテーションを提供する施設です。介護士はリハビリの補助や生活介助を行う。 | 専門職からリハビリ知識やチーム医療を学び、利用者さんの機能回復を支援する喜びがあります。日中のみの勤務で夜勤がないのもメリット | リハビリ補助や送迎、記録など業務が多岐にわたり、医療・リハビリ知識の継続学習も必要。また、利用者さんの入れ替わりが多いため、長期的な関わりは少ない傾向にあります。 | リハビリ専門知識を深めたい方や医療専門職と連携し、利用者さんの機能回復を支援したい方。学習意欲が高く、夜勤なしで働きたい方。 | リハビリや医療知識への関心が薄く、ルーティンワークを好む方、送迎業務に抵抗がある方 |
訪問介護 | 介護士が利用者の自宅を訪問し、身体介護(食事、入浴、排泄など)や生活援助(掃除、洗濯、買い物、調理など)を提供するサービス | 利用者さんの自宅で個別性の高いケアを提供し、深い信頼関係を築ける点が魅力。また、裁量権を持って働け、直行直帰や日中中心の勤務など、柔軟な働き方が可能です。 | 訪問介護は基本的に一人で対応するため、緊急時の判断力や利用者・家族とのトラブル対応が求められます。また、複数の利用者宅への移動負担や孤立感を感じることもある。 | 利用者さんの生活を支え、個別のケアを提供したいと願う自律的な方で、車の運転ができコミュニケーションを大切にできる人 | 単独行動や移動が多く、他者の生活空間への配慮や人間関係のトラブル対応が苦手な人。一人で判断し行動する場面が多いため、チームでの協力を重視する人や体力に自信がない人。 |
訪問入浴介護 | 専用の浴槽を自宅に持ち込み、介護士2名と看護師1名のチームで入浴介助を行うサービス。 | チーム連携で困り事を解決し、利用者さんの自宅での入浴の喜びを直接感じられます。また、看護師同行のもと専門的な入浴介助スキルと医療知識を習得できるやりがいがある。 | 浴槽搬入や移乗など体力的な負担が大きく、移動も多いため天候に左右されやすい。また、一件ごとの時間制限により効率的な作業が求められます。 | 体力に自信があり、チームで協力し、利用者さんの喜びをやりがいに感じる人。また、入浴介助スキルを磨きたい方にも向いている。 | 体力とチームワーク、時間管理能力が求められる重労働。衛生面が気になる方や単独作業を好む方には不向きかもしれません。 |
病院 (介護助手) | 病院に入院している患者さんの身体介護(食事、入浴、排泄など)や生活援助(シーツ交換、環境整備など)、看護師の指示に基づく医療行為以外の業務を行う。 | 医療現場での経験を通じて病気や医療知識を深め、看護師と連携しつつ急変対応力や多様な疾患への知識を習得できます。大規模な組織での安定した雇用も魅力。 | 医療行為不可、夜勤・シフト制、感染リスク、看護師指示下での業務、そして患者さんの状態によっては身体的・精神的な負担が大きいというデメリット | 医療現場での学びとチーム医療への貢献を求める、体力と柔軟性のある方に向いています。 | 直接的な医療行為や患者さんの看取りに抵抗がある人、感染症対策や看護師の指示に従うのが苦手な人 |
介護士の男女初任給平均は約21万5千円!

政府統計の相談窓口「賃金構造基本統計調査一般_職種(小分類)_年齢階級別DB(2023年度版)」の男女平均経験年数 0年を見ると介護士の給与平均は21万5千900円。
そのうち男性は21万8千600円、女性は21万1千400円となります。さらに年間賞与その他特別給与額平均は77万6千円となっています。
未経験や無資格からでも介護士にはなれる!

2025年現在、団塊の世代(1947~1949年生まれの世代)が75歳以上になり、75歳以上の人口は全人口の約18%。さらに、2040年時点の日本は65歳以上の高齢者人口は約3929万人となり、総人口の約35%になると推測されています。そのため国は、2026年には約240万人(+約25万人)、2040年には約272万人(+約57万人)の介護士が必要としています。
具体的には、令和7年3月時点で介護職の有効求人倍率は3.97倍です。約4.0なので求職者1人に対して求人票が4件ある。これは、全職業平均の有効求人倍率は1.16倍なのでこれはかなり高い。
なので、未経験無資格者でも介護士を目指せるチャンスは大いにあります。
厚生労働省第「令和7年5月9日発表 1回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 資料5」参照
思いやり・共感力・体力がある人は介護士向き!

介護士は、利用者さんの表情や体調の変化に気づきやすく一人ひとりに合わせた声掛けやケアができ、相手の気持ちに寄り添うことで、信頼関係を築き、スムーズな介助につながることができる。また、入浴介助や移乗介助、部屋の清掃など、介護士は身体を動かす業務が多く、非常に体力を使います。常に動くことで利用者さんのサポートを効率的に行え、職場の助けにもなり、自身の健康も、安定したケア提供には不可欠!!
気配り、目配り、心配りができると表情や体調の変化にも気づきやすく、声の掛け方もその場に応じた声掛けができる。一方的な介護にならない、利用者の目線、立場に立った介護ができるから。
40代女性
観察力という点では、利用者さまの日々の少しの変化にも気づくことができる広い視野を持っておかないと、命に関わる事柄に繋がる可能性がある為。また、共感力という点では、不穏な気持ちに寄り添える力が必要だと考えます。
30代女性
介護の仕事は身体を使う仕事です。そのため、身体への負担が大きく、時には腰痛、膝痛など身体への痛みが出てしまう人がいます。そうなると、ケアをしたくても出来なかったり、痛み部分をかばう事で他の場所を痛めてしまう事もあります。その中で、移乗介助が出来ない。機械浴介助が出来ない。となると、周りの職員の負担が増えて、周りの職員が大変な仕事をカバーしなければなりません。そのため、どの仕事においても言えることかもしれませんが、身体を使うことの多い介護職は健康な人が向いています。
30代男性
以上がクラウドワークスにて現役介護士の方々からの意見です。
結論、以下の方は介護士に向いています!
- 介護士として人への思いやりや観察力、共感力がある人。
- 相手の気持ちや背景にまで気を配れる人。
- 体力のある人
短気で感情的になりやすく、自己中心的な人は介護士には向いてないかも…

高齢者との関わりでは、利用者さんのペースに合わせたり、認知症による行動に忍耐強く対応したりする必要があり、感情的になると利用者さんに不快な思いをさせ、トラブルの原因にもなります。さらに介護はチームで行う仕事。なので自己中心的な行動は、チームワークを阻害し、利用者さんへのサービスの低下や事故につながる可能性があります。
短気な人、感情的になりやすい人。認知症の方から暴言など吐かれたりするときに反発してしまい、クレームになることがあります。そして、どんな状況でも感情的にならないで、その時に間違いのない必要な対応をする必要があるからです。
40代男性
自分勝手な方。もの凄く仕事がやりづらくなり、チームワークに影響しサービスの低下や事故に繋がるからです。
30代女性
不健康な人。風邪を引きやすい。身体をすぐに痛める人。高齢者の生活を支援するのが介護士の役目です。介助する側が不健康で高齢者の介護をする事は難しいです。介護者が身体が痛くて動けないからと、利用者を転倒させてしまったら、大変な事になります。重労働の多い介護士は、身体のケアも必要です。風邪を引かないようにしたり、怪我や故障が多い人は運動することも必要です。家族からしても、健康でない人に介助をされることは不安要素にも繋がります。
30代男性
結論、以下の方は介護士には向いてないかも…
- 短気で感情的になりやすい人
- 自己中心的な人
- 体力、健康に自信がない人
やりがいは「感謝の言葉を直接もらえる」!反面、「利用者からの暴言、暴力、セクハラ」は辛い

介護士は病気な方や高齢者をお世話する仕事。なので、行った事に感謝されるのは介護士として最も嬉しい事であり、モチベーションも上がります。その反対に精神的な病気の方や認知症高齢者の方もお世話をします。そのため、暴言、暴力やセクハラもされることもあるので辛いと感じるとこもあるのも事実。
感謝の言葉を言って貰えた時。やはり利用者さんからありがとうと感謝の気持ちを伝えられたときは介護をしていて良かったと思える瞬間です。
30代男性
いつも感謝の気持ちを直接的に伝えられるので、モチベーションの維持ができた事。いつも気にせず、業務だと思って行っていた事が利用者にとっては感謝される事だったので、毎日「ありがとう」と言う言葉をたくさん聞けます。
30代男性
利用者からの暴言、暴力。その方は特定の男職員に対しての言動でした。何をした訳ではなく、ただ言われた事が嫌でした。
30代男性
暴言、暴力を振るわれるのは日常茶飯事。セクハラ紛いなことをしてくる利用者の方もいるため、そこは嫌だなと感じています。
20女性
介護士をしていて1番のやりがいは、利用者様からの感謝・「ありがとう」の言葉をもらえる。1番辛いのは、利用者様からの暴言・暴力・セクハラ行為。
最後に
結論、介護士とは資格名ではなく通称。仕事内容や就職先も様々である。今の日本は超高齢化社会を迎え介護士の重要は高くなっているので経験や資格の有無は関係なく目指すことができます。
男性は介護士って女性が多いってイメージを持っているかもしれませんが確かに男女比率は3:7で女性が多いの事実ですが、男性も活躍しているので安心してください。
また、年齢位が高くても大丈夫?って不安の方もいるかもしれませんが、介護士は全体的に年齢層は高く30~59歳となっており、男性は30~49歳、女性は40代以上が活躍しているのでこちらも安心してもらって大丈夫。
今の日本は介護士を必要としている世の中です。是非介護士に興味がある方は一緒に日本を支えましょう!