介護士とは?仕事内容&やりがいや向いている人を現役介護士がわかりやすく解説します

介護士とは?仕事内容&やりがいや向いている人を現役介護士がわかりやすく解説します
  • 介護士になってよかったと思うエピソードなどありますか?
  • 介護士で大変なことは何ですか?あと、話すことが苦手な人でも働けますか?
  • 介護士には、どんな性格が向いていますか?体力があった方がいいですか?

介護士の仕事は、体的にも精神的にも大変であり、この道を選ぶには覚悟が必要です。しかし、多くの方がこの職業にやりがいを感じています。
私は、自衛隊から経験も資格もない状態で介護士へ転職し、働きながら介護福祉士を取得し、10年以上介護福祉士として働き、デイケア→老健→現在特養で勤務しています。
この記事では、介護士と介護福祉士の違い、仕事内容、働く場所や働き方、給与事情、介護士になる方法など、介護職に関する基本的な情報や介護士の実情をわかりやすく解説しています。
この記事を読むと、介護士として働くことの魅力や仕事内容、資格の有無による違い、そして具体的な働き方まで、介護職に関する幅広い知識が得られます。また、仕事に興味を持っている方に向けて、現場のリアルな情報ややりがい、必要なスキルなどをわかりやすく解説しています。
結論として、介護士は高齢化社会において必要不可欠であり、資格の保有や働き方の多様性がある中で、誰でも挑戦できる仕事であり、資格取得や経験を積むことでより充実したキャリアを築けることができます。

介護士とは

介護士とは

介護士とは介護の現場で働く人のことを指し、特定の資格ではなく職種のことです。世間では「介護職員」や「介護スタッフ」とも呼ばれることが多い。

介護士と介護福祉士の違い

介護士と介護福祉士の大きな違いは資格の有無ですが、「給与面」や「仕事面」でも違いがあります。
まず、「介護福祉士」を名乗れるのは、介護福祉士国家資格を取得し、資格登録をした人のみです。
具体的に、介護福祉士は介護のエキスパートとして介護現場で働くヘルパーや介護士に対して助言や指導を行うことができ、介護士と介護福祉士では給与面でも介護士と比べると5~6万円ほど違います。
これらから、介護士と介護福祉士の違いは「資格の有無」「給与面」「仕事面」と言えます。

介護士とヘルパー(ホームヘルパー)の違いは明確なものではなく、どちらも「介護の仕事をしている人」を表します。ただし、訪問介護事業所で働いている「訪問介護員」を指すことが多いです。

仕事内容

介護士の仕事内容

介護士は、年齢や病気、障害を理由に、一人で日常生活を送るのが難しい方を手助けするのが仕事です。仕事内容は大きく分けると3つあります。それは「身体介護」「生活援助」「その他の支援」です。

身体介護

身体介護とは、介助者の体に触れて行う介助のことです。
具体的には、食事介助、排せつ介助、入浴介助、服薬介助などです。ちなみに、身体介護は介護職員初任者研修などの資格がないと行うことができません。

生活援助

生活援助とは利用者の体には触れないで日常生活に必要な家事を代行して、利用者の暮らしをサポートする業務です。
具体的には、掃除、洗濯、ゴミ出し、買い物などです。ちなみに、家族と暮らしている場合は利用者のみの家事代行しかできません。

その他の支援

生活リハビリや余暇活動のためのレクリエーションを提供すること、メンタルのケアなどの「その他の支援」という。
具体的には、介護施設で行う体操や歌、イベントなどをレクリエーションと言い、利用者同士がコミュニケーションを取るためのきっかけとなる。体を動かしたり、頭を使ったりとリハビリの役割もある。また、介護記録の作成。利用者の様子や援助内容を記録して情報共有をすることも大切な業務。

働く場所

介護士の働く場所

介護士の働く場所はさまざまです。
具体的には特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護有料老人ホームなどの入居施設や、通所型、訪問介護などがあります。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護老人福祉施設とは、原則、要介護3以上の要介護高齢者を対象としており、常時介護が必要で在宅生活が困難な方に対して、日常生活のサポートなどを提供する施設をいいます。

介護老人保健施設

介護老人保健施設とは、介護が必要な高齢者に看護や医療が整った環境のもと、介護サービスやリハビリなどを提供し、在宅復帰を目指す施設を言います。

介護医療院

介護医療院とは、日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れやみとり、ターミナルケア、介護、日常生活の介護サポートなどを一体的に提供する施設をいいます。

通所サービス

通所サービスとは自宅から施設へ通い、入浴や食事、レクリエーションなどを提供するサービスです。通所型にはデイサービスやデイケアがあります。

訪問介護

訪問サービスは利用者の自宅に伺い、身体介護や生活援助を行うサービスです。

働き方

介護士の働き方は正社員や契約社員、パート・アルバイト、派遣社員といった多様な雇用形態があり、働き方も入居施設は24時間でサポートを行うため、日勤・遅番・夜勤といったシフト制になります。通所型や訪問介護は朝から夕方までの日勤のみなどの働き方ができます。

給料

介護士の給料

介護士の平均給料は「令和4年介護従事者処遇状況等調査」によると、大体24万〜31万円です。また、介護士は1年目の平均が28万円、5年目以降で31万円と勤続年数が長ければ長いほど給与も上がります。

介護士になる方法

介護士になる方法

介護士になる方法は「経験や資格もない状態で介護士を目指す」「介護関係の資格を取得してから介護士を目指す」の2パターンある。

経験や資格もない状態で介護士を目指す

介護士は経験や資格がなくても目指せます。なぜなら、2025年から超高齢化社会に突入していき、高齢者が増えるのに対し、介護士の数が足りていません。そのため、介護士を目指してくれる方は貴重な人材です。具体的に、介護士を目指すには、転職サイトやハローワークなどから面接を受け、採用された日から「介護士」になれます。

介護関係の資格を取得してから介護士を目指す

介護関係の資格を取得してから介護士を目指すのも一つです。確かに介護士は経験や資格がなくても目指せますが、資格がない場合だと業務や就職先に制限がかかったり、介助する際に不安が生じます。そうならないためには入職前に介護職員初任者研修や認知症基礎研修など、受験資格が初心者でも受講できる研修を受けます。そうすれば、業務や就職先に制限がかからなくなり、不安なく自信を持って介助が行え、即戦力として見られ、採用率もぐんと上がります。

介護士のきつい部分

大変なところのアンケート結果

介護士の「きつい」部分は体力的な負担が全体の3割でした。介護士は、夜勤業務や入浴介助、おむつ交換、移乗介助などで腰や体への負担がかかります

夜間対応。夜間は20名を職員1人で見ています。夜寝れない方の対応や、トイレ通いが多く1時間に5回、6回それが朝まで続くと本当に大変です。代わりの人もいないため、仮眠も取る事ができず、朝方には疲れ切ってしまいます。

(40代男性 特別養護老人ホーム)


夏の暑い時に風呂当番を担当したりと、とにかく体力勝負。約2時間で30人の入浴介助などもあり、体力的にきついく力仕事仕事が多く腰が痛くなりやすい。

(50代女性 デイサービス・デイケア)


ある特定の利用者さんから私個人に対して暴言や嫌がらせを受けたことがあります。ほかの職員には普通に接し応じているのですが明らかに私に対して冷淡で差別的な態度を取られ大変な思いをしました。

(30代男性 特別養護老人ホーム)

介護士のやりがい

介護士のやりがいアンケート画像

介護士のやりがいの大半が「ありがとう」などの感謝の言葉である。この言葉はダントツで多い項目であり、仕事のやりがいやモチベーション向上に直結する感情が強調されている。


利用者さんからありがとうと感謝の気持ちを伝えられたときは介護をしていて良かったと思える瞬間です。

(30代男性 特別養護老人ホーム)


新規の利用者様で、ムスッとしていて取っつきにくい方が、その後、一緒にいるうちにニコニコして「ここに来て良かった」と言ってもらえると、仕事やってて良かったなぁと思います。

(40代女性 グループホーム)


1対1の関係で信頼関係が成り立つため自分の行動で利用者さんの行動が変わること。さらに良くしたいと思い、たくさんコミュニケーションを取ることで利用者さんも話してくださり、心を開いてくれるようになること。

(20代女性 訪問介護)

介護士に向いている人

介護士に向いている人アンケート画像

介護士に向いている人の特徴としては、特に「思いやりや共感力のある人」が重要視されています。次いで、「ストレスに強く、忍耐力がある人」・「体力や健康に自信がある人」となっています。

介護士に向いてない人

介護士に向いていない人のアンケート画像

感情的になりやすく、短期な人」と「体力や健康に自信がない人」が介護士に向いてない人として最も多く挙げられた特徴です。次いで、「コミュニケーションに自信がない」「自分中心」な人が続いています。

まとめ

介護士とは、介護の現場で働く人のことを指します。「身体介護」「生活援助」「その他の支援」の大きく3つの仕事内容を行い、働く場所もさまざまで業務内容も変わります。雇用形態も多様です。「思いやりや共感力がある人」が介護士になる上で重要視されています。「感情的になりやすく、短気な人」は介護士には向いていません。介護士の仕事を行う上で、体力的な負担がありますが、「ありがとう」などの感謝の言葉をもらうことでやりがいを感じられます。

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